鶏焼肉nanairo
七色の味わい!鶏焼肉nanairo
文=多田 修(株式会社マルモット)この記事は「マルモット新聞97号」を再編集したものです。
JR塚本駅近く、今年1月にオープンした鶏焼肉店「nanairo」。刺身でも食べられる新鮮な丹波や和歌山の朝挽き地鶏を自ら焼くスタイルの焼鳥店です。オーナーの落登史樹さんは飲食店経営のかたわら、物流業の社長でもある若干29歳の多角経営者。
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「元々飲食店がやりたくて23歳で脱サラし、お金を貯めようと一人で軽トラックを購入して物流業を始めました。百貨店などは大きなトラックが入らないので軽貨物は重宝され、食品やチルド商品などを卸していました。おかげさまで取引先や周りの人たちのご縁で、数年で従業員10名、軽トラック8台の会社になりました。
母の生まれ故郷は鹿児島県種子島で、落家親族一同、子供の頃から特産の安納芋をよく食べて育ちました。甘味が凝縮した本当に美味しい安納芋を故郷から独自のルートで卸すとたちまち評判になりました。焼き芋ブームにのっかり、安納芋を使用したアイスブリュレ(アイスプリン)の製造卸も始めました。万博のスイーツイベントでは1000個も売れて手応えを感じると、以前から抱いていた飲食店への憧れが再燃し、昨年塚本に空物件がでたタイミングで出店を決めました。
といっても鶏焼肉店をしたかったので、初めは安納芋を店頭に出さなかったのですが、裏メニューで出すと評判がよく、食後のスイーツとして定番で出るようになりました。
ただ、常識にとらわれたくなくて、ここに来れば焼肉スタイルの鳥が食べられるし、芋も食べられる。シメにラーメンも海鮮丼もあるし、お酒やコーヒーだけでもOK。女性が入りやすいカフェみたいな内装にもこだわりました。一見何屋か分かりませんし、『何かに特化しないと、あれもこれもあるでは売れないよ』と言われる事もあります。けど全く構いません。ここ1店舗だけでは終わりませんから。これから多店舗展開していくうえでも、色々取り入れて試行錯誤をしていきたいんです。時間によって売れる商品も客層も変わってきます。それをしっかりフィードバックして次に繋げたいと思っています。
僕は大阪生まれ大阪育ちですが、やがては母の故郷種子島の安納芋を全国区に広げて親孝行したいですね」