西淀川で地産地消

 

グローバルの時代らしい。確かにポチッとクリックするだけで世界中から物が買える。小さな企業でも、海外に工場があったり販路があったりすることが珍しくなくなった。一方でローカルの時代でもあるそう。画一的ではなく、地域に密着した視点を持つことも大切というわけだ。

この二つを合わせて「グローカル」なる造語も生まれている。辞書を引くと「地球規模の視野と、草の根の地域の視点で、さまざまな問題を捉えていこうとする考え方」とある。なるほど。何だか良さそうだ。

西淀川区は竹島に事務所を構え、本を作る仕事をしている。“草の根の地域”ということなら西淀川区になるだろうか。淀川区に行ってしまうとちょっと広いので。というわけで視野は地球、視点は西淀川であれこれ考えてみた。

買い物はもっぱらポチッ。お昼はお弁当。節約のために。実際に見たり触れたりして買いたいだとか、外で食事をしたい、おいしいお酒を飲みたいと思ったら、梅田に出てしまう。電車でシュッと行けるから。そういえば、西淀川では仕事をしているだけだ。その仕事も西淀川の人を相手にしているわけではない。

父はかつて竹島で鉄工所をしていて、毎日さぼって喫茶店に行っていた。まねをしてみようと思ったが喫茶店はもうない。そもそも父の鉄工所がない。私が継いでいないから。あっ、そんな風にして工場が減って、お店が減って、代わりにマンションが増えているのか。地域の変化にちょっぴり自分も関わっていたようだ。梅田にシュッなのだから、これからも魅力的な住宅地として発展していくのだろう。

地域の視点を西淀川区から、大阪市に広げてみると、こうした変化はいいことのように思える。大阪という地域の中に梅田という商業地があったり、本町なんかのオフィス街があったり、西淀川という住宅地があったりするというわけだ。みんな地域で暮らし、地域で働いて、地域で消費している。ローカルな感じだ。

でも“草の根の地域”というには大阪市は広すぎる。せめて自転車でぐるっと回れるぐらいの範囲だろう。感覚的に“自分の町”と思えるサイズだ。となると西淀川区ぐらいか。その町が住むだけの役割になるのはちょっと楽しくない。

いやいや違う。住むだけにはなってない。田畑はなかなかないが、工場はあるし飲食店もあるし、美容院とか雑貨屋さんとか、いろいろある。西淀川という自分の町で、人もお金もぐるぐる回っている。楽しくないのはそこに参加していない自分のせいだ。だから人、物、事、たくさんの西淀川産と出会って、西淀川を消費してみよう。それなら楽しくなるはずだ。で、このサイトを始めてみたというわけです。


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