子供と大人のコミュニティの場でありたい
「にしよどこども食堂くるる」小川広志さん

文=多田 修(株式会社マルモット)この記事は「マルモット新聞75号」を再編集したものです。

いま地域社会で話題になっている“こども食堂”。2016年12月から出来島で開催されている「にしよどこども食堂くるる」もその一つ。子供たちの間で噂が広がり、どんどん参加者が増えている。つくったのは、株式会社Firstclassの代表・小川広志さんだ。

―― 小川さんは普段はどういったお仕事をされているのですか?

「僕は2015年に介護事業を出来島で創業し、2016年11月に株式会社Firstclassを立ち上げました。現在、訪問介護と障害のある方への同行支援、居宅介護の事業所『ケアステーション~聴(きき)~』を運営しています。もともと前職は心理カウンセラーで、クライアントさんのお話を傾聴していく仕事をしていました。介護をしていく上で傾聴はとてもつながりが深く、自分に向いていると思い、勉強してこの業界に飛び込みました。人の話に耳を傾けて寄り添い続けるので『聴(きき)』と名付けたんです」

―― 若いのに会社を立ち上げるなんて素晴らしい行動力ですね。

「いえいえ若くないですよ。中学生の子供がいますし(笑)。もともと独立心が強かったんです」

―― そうなんですか! で、こども食堂はどういった経緯で?

「子供の小学校のPTA会長を1年だけやっていた時に、たまたま出来島保育所のPTA会長の南さんという方と出会いました。南さんは東淀川にある『ちとせ介護』で働かれていて、こども食堂も運営されているんです。それで出来島でもやりたいねと、意気投合しました。

南さんと共同で2016年12月に第1回『にしよどこども食堂くるる』をオープン。子供たちがどれだけ来てくれるのか不安になりながら、カレーを作って待っていたんですが、フタを開ければ30人もの子供たちが集まり大盛況でした。

それ以降、月1回開催していて、子供同士の口コミでどんどん増え、この前は用意したオムライスが足りなくなるほどだったんです」

―― すごい! 跳躍的に発展していますね。こども食堂って、ご飯が食べられない貧困層の支援という印象が強いですが、子供同士の口コミで広がるってちょっとイメージが違いますね。

「にしよどこども食堂くるる」はどちらかというと、子供とそれに関わる大人とのコミュニティの場でありたいと考えています。最近では、あいさつをしてはいけないマンションが話題になるほど、子供と大人の関わりが疎遠になってきています。ここにいるおっちゃんなら安心して接することができる、そんな環境づくりをしていきたいですね。

こども食堂の今後の予定は、弊社発行紙『キキの街』や区役所、商店などで告知しています。手伝ってくれる方もどしどし募集中です」

にしよどこども食堂くるる
https://www.facebook.com/nisiyodo.kururu/


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