出会ったらきっと、お花を飾ろうって 思ってしまうはずです
出会ったらきっと、お花を飾ろうって
思ってしまうはずです
「うるわし花店」
御幣島の和菓子店「よだもち」の軒先に、色とりどりの花が並んでいる。その横に「うるわし花店」の立て看板と、うふふと微笑む女性。麗しい。蜜に誘われる蝶のごとく、吸い寄せられる。
「うるわし花店」は、春岡 麗さんが一人で切り盛りしている。「よだもち」前に出店するのは月に1回のペース。ほかはインターネットでフラワーアレンジメントを販売したり、カフェやショップでフラワーアレンジメントのワークショップをしたり。決まった店舗のない花屋さんなのだ。
「よだもちさんとは、お花をご注文いただいたのが縁なんです。それからこのあたりにお花屋さんがないこともあって、やってみませんかって言っていただいて」。そう話しながら、春岡さんは楽しそうに花を眺める。
「前に出店したときとは違うお花を仕入れるようにしているんです。それと、一つは珍しいものを置くようにしています。毎回喜んでいただけるように」。
そんな春岡さんが、花に興味を持ったきっかけは絵。もともと春岡さんは、芸術大学を卒業後、会社勤めをしながら、画家としても活動していた。絵の題材として花を選んでみると、もっと詳しく知りたいと思うようになった。そこで花を育ててみたところ「ハマってしまった」という。
「どんどん花が好きになって、やたらと育てるようになりました(笑)。ちょうどその頃、会社を辞めて転職先を探しているときで、母親に『そんなに好きなら花屋さんで働いたら』って言われて。それもそうだなって思ったんですよ」。
というわけで花屋さん勤めがスタートする。「生花が多いお店でした。フラワーアレンジメントなんてやったことがなかったので、一から教えていただきました」。専門的な花の取り扱いや仕入れもここで学んだ。
その後は順風満帆に…、とはいかず、体調を崩して退職し、以前勤めていた会社に戻ってまた働き出してと、紆余曲折。ところが「私、人に恵まれていまして」と、友人知人からブーケやドライフラワーなどのワークショップの依頼が舞い込むようになる。
「カフェやギャラリー、パン屋さんでも。いろんなところでワークショップをさせていただくようになりました。そうして教えることが多くなると、今度は自分でやりたい、お店を開きたいなって思うようになったんですよ。そしたら『よだもち』さんに声を掛けていただいて。ね、人に恵まれてるでしょう」。
そう言って笑みを浮かべる春岡さん。口調は穏やかでほんわかとしている。話していると知らぬ間にこちらもほんわか。きっとこれまで出会った人たちも、このほんわかムードに惹かれて、お願いごとをしてみたのだろう。さて、今日の花から春岡さんは、どんなブーケを作るのだろう。「ちょっと部屋に飾るのに」と、お願いしてみた。
うるわし花店
https://uruwashihanaten.com/
https://www.instagram.com/uruwashihanaten/