西淀ブッシュウィックで見事優勝!
アトリエロジ 大石 美子 さん

優勝を飾った壁画の前で。作品はもと歌島橋バスターミナル内のイベント開催時に観ることができます。

文=多田 修(株式会社マルモット)この記事は「マルモット新聞94号」を再編集したものです。

「第6回御幣島芸術祭みてアート」も無事終了。そのなかの一つとして、11月1日から4日間にわたって行われたのが「第1回西淀ブッシュウイック」。12組のアーティストがもと歌島橋バスターミナル内の壁に絵を描き競うライブバトルです。そして、栄えある初代優勝者はアトリエロジ所属作家・大石美子さんに決定!

「皆さん上手すぎて私なんか」と謙虚な姿勢を見せながらも一人黙々と4日間描き続けた渾身の1枚は審査員や多くの来場者を魅了しました。

※西淀ブッシュウイック…ニューヨーク・ブルックリンの小さな町「ブッシュウイック」が近年アートの町として注目を浴びているのをモデルに、ものづくりの町・西淀をブッシュウイックのようにしようと、バスターミナル内をアートで彩るプロジェクト。

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「若い頃から美術の仕事に憧れて東京の美大に進学し、後にとても刺激的な関西の劇団『維新派』に入団しました。役者全員白塗りで、びわ湖のほとりや南港の空き地とか、ただただ広い空間で、まるで祭事のような野外劇をやるので、瀬戸内芸術祭や海外からも呼ばれる知る人ぞ知るマニアックな劇団でした。

7年ほどいましたが、新たなステージに進みたいと、退団後は商業美術の会社に勤務。有名なアミューズメントパークの造形美術などの制作で腕を磨きました。そんな折、仕事でお世話になった白井さんが独立して千舟に『アトリエロジ』を設立されるというので迷わずついて行きました。5年前になります。

立体造形や壁画を得意とする白井社長は先見の目があったというか、仕事は年々増えてやり甲斐があります。現在3人で作業をこなしていますがそろそろもう一人スタッフを増やしてほしいところです (笑)。

アトリエロジは毎年『みてアート』の一拠点として場所を提供しているのでご存知の方も多いかと思いますが、生野から通勤している私には、よそ者感があり、積極的になれませんでした。しかし今回『西淀ブッシュウイック』のライブペイント参加枠があると社長やまわりの方から後押しされて、思い切って応募してみました。

初めは4メートル四方のスチールパネルの壁を見て絶句しました。パイプが通っていたりパネルが曲がっていたり。まずはこの壁と仲良くしないと描けないなと思いました。作品テーマを『選択するということ』で描こうと思いながら壁を眺めていると、横に出っ張っているパイプをてんびんに見立ててしまえっ!という発想が生まれ、上下相互の世界観ができ上がりました。まさか優勝するとは思わなかっただけに感激です。

やっと西淀川区の人たちに作品を認められ『みてアート』の仲間入りができたような気がします。参加して本当に良かったです。

この経験を機に、もうワンランク上の仕事をしていきたいですね。これからもずっと社長についていきまーす!」

「アトリエロジ」白井社長と。

西淀ブッシュウイック参加アーティスト&運営のみなさんと記念撮影。

atelier Loji(アトリエ ロジ)
大阪市西淀川区千舟2-2-27
http://atelier-loji.com/


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