インタビュー・津田 愛 さん

認知症対応型通所介護デイサービス ハウス安住
管理者・生活談員
津田 愛 さん

文=多田 修(株式会社マルモット)この記事は「マルモット新聞101号」を再編集したものです。

「私、人が困っていたらほっとけないタイプなんです。だからこの仕事を選んだというか、気付けば前職から合わせてもう20年になります。そもそもお兄ちゃんが障がいを持っていましたが、一般の人と基準が違うだけで、分け隔てなくオープンに接するのが当たり前でした。また祖父は認知症で、母が『おじいちゃん、かくれんぼしているから探しておいでー』と私に伝えるとしばらくして警察官に保護されて帰ってくるなんて日常でした。いま思えば母は優しくて偉大な存在で、そんな家庭ですくすく育ちました。

だからこの介護の仕事は私にとって、要介護者の人たちにやってあげている感がありません。むしろその人が突然笑ったり、食べだしたり、突然立って歩きだしたり、いつどこでスイッチが入るのを感じ取るのが楽しいです。デイサービスだからって何でも手厚く介護するのではなく、利用者さんの意思で行動するのを寄り添って見届けることも大切です。例えば一緒にご飯を食べた後、洗い物を手伝ってくる人がいます。けどきちんと洗えてなくてもこれで『ヨシ!』なんです。洗ってもらうのが目的ではなくて、人の役に立てていると自ら思えることが生きる意欲になります。誰かのためにと思わなくなったら寝たきりになっちゃいます。

けど正直、このままこの仕事を続けていて良いのだろうかとジレンマを抱くこともあります。一管理者としてこのまま精進していくのも一つの選択肢ですが、いつもの環境、いつもの話題、この業界のことしか分からない。まだまだ私の知らないもっともっとできること、やり方を変えられることってあるんじゃないかとか思います。だからこの1、2年は様々な交流会にも参加して外部の人たちとのコミュニティも大切にしています。

もっと色んな方から学んで、近い将来ケアマネージャーになって具体的な制度を活用しながら自分の経験値も活かし、社会の役に立てる人になりたいとい思います。

ほっとけない、ほっとかない人の連鎖であったかい社会ができるのが私の望みです」。


公益財団法人淀川勤労者厚生協会
認知症対応型通所介護デイサービス ハウス安住
住所/西淀川区竹島3-2-12
電話/06-6473-1531