atelier Loji アトリエ ロジ

鉄でも木でもない、
造形という名のものづくり

 歌島橋交差点の西側、昔ながらの風景が残る路地。ものづくりの町らしく、民家や飲食店とともに、町工場が点在する。その一軒。どんなものをつくっているのかと、中をのぞけば巨大なカピバラとチンパンジーがこちらをじろり。
 『アトリエ ロジ』が手がけるのは造形。遊園地、テーマパークといった施設のオブジェやモニュメント、飲食店やスーパーの立体的な看板などなど、さまざまな造形物を制作している。先ほどのカピバラとチンパンジーは、静岡の動・植物園に設置されるもの。広島のマツダスタジアムに飾られている選手の人形や巨大なスパイクといったオブジェもこちらの作品だったりする。

カピバラ&チンパンジー&白井さん。近年の造形業は、3Dプリンタなどの技術革新によってクオリティが上がる一方、スピーディさも求められているという。

 もともと神戸の造形会社に勤めていた代表の白井克樹さん。4年前に独立し、かつて鉄工所だった今の場所に『アトリエ ロジ』を開いた。
 「以前から西淀川に住んでいて、家の近くに、というのがここを選んだ理由だったんです。実際にやってみると、まわりに工場がたくさんあるので、ちょっと溶接してほしいとか、素材をカットしてほしいとか、すぐに頼めるありがたい場所でした」。
 造形の仕事は、大別するとFRPや発泡スチロールで形をつくる工程と、素材や設置場所に合わせて行う塗装の工程がある。最近は、こうした『アトリエ ロジ』の技術を知った周辺の人たちから、仕事を頼まれるケースもあるそうだ。

スタッフは、白井さんを含めて3名。大きなプロジェクトの場合はフリーランスの造形作家が加わることも。

スーパーの店内に展示される野菜やフルーツの装飾を制作中。形を整えてから、塗装の工程に移る。

塗装も造形の重要な要素。雨にも強い特殊な塗装や、エイジング塗装など、多彩な技術によって作品が生まれる。

カピバラの制作にあたって、最初に作成したミニチュア。これを元に実際の作品がつくられた。

 「この仕事は、同じものをつくることがほとんどありませんから、毎回初めて取り組むものばかり。それが楽しいところですね」。
 技術とアートが折り重なった造形の世界。ここにもメイドイン西淀川が存在する。

atelier Loji
住所/西淀川区千舟2-2-27
http://atelier-loji.com


※この記事はあおぞら財団「りべら」No.147掲載の記事を再編集したものです。


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