ノスタルジックで最先端。80余年、腕を磨いた歯磨きです。

右は、タバコのヤニ取り歯磨「歯磨スモカ赤缶(パウダー)」と葉緑素配合の「歯磨スモカ緑缶(パウダー)」各300円(税別)。左は、朝のホワイトニングと夜の殺菌・歯茎ケアという2種類を使い分ける新発想の歯磨剤「Cosmion Whitening Paste & Stippling Gel」2本セット2000円(税別)。

ノスタルジックで最先端。
80余年、腕を磨いた歯磨きです。
スモカ歯磨 株式会社

西淀川区役所の隣、「SmOCA」の赤い文字が目印のレトロな建物。昭和10年に建てられたスモカ歯磨の本社屋だ。隣接するビルの2階に研究室、その横の敷地には製造工場があり、創業以来80余年にわたってここ西淀川のど真ん中で歯磨剤をつくっている。

もともと「スモカ歯磨」は寿屋(現・サントリー)で生まれた商品。ヤニ取りに特化した歯磨剤で、全国のタバコ店で販売されてヒットした。企画立案は、寿屋で多くの印象的な広告を世に送り出してきたコピーライター・片岡敏郎である。

創業当時の商品。紙に包んだ粉歯磨が主流の時代に、缶入り潤製(湿り気のある粉状)という斬新な歯磨だった。

昭和7年、寿屋の歯磨剤部門が分離独立する形で「株式会社寿毛加社(現・スモカ歯磨株式会社)」が設立。寿屋から移った片岡のユニークな広告も相まって、スモカ歯磨はさらに販売量を拡大する。御幣島には大規模な工場が建ち、中国・天津にも工場が造られた。しかし、戦後から高度経済成長期へと向かうにつれて、歯磨剤市場は大手メーカーの商品が席巻するようになり、会社は試練の時代を迎える。

「海外化粧品の製造販売を始めたり、他社が発売する旅行用ミニチューブ練り歯磨の製造請け負い(OEM)をしたりで、なんとか食いつないでいる感じ。そうして徐々に規模を縮小していく時代が、ほんの数年前まで続きました」とは、現・社長の藤野和仁さん。一時は「会社をたたもう」と思うまでに業績は悪化したが、ある言葉をヒントに回復するようになった。

「歯周病の研究で知られる歯学博士の方に、どんな歯磨剤があったらいいと思いますかって聞いてみたんです。すると、『歯磨きの後、水ですすいでも流れずに歯に張り付く歯磨剤ってつくれないのかな』って言われたんです」。

そのアイデアから研究を重ね、歯にコーティングされるジェルタイプの歯磨剤を開発。歯科医院向けの製品で知られるブランドから発売されると、専門医を中心に大きな反響を呼んだ。

「そのことをきっかけに、少量生産でも徹底的に品質にこだわった商品づくりを目指すようになりました」。

そして昨年、スモカ歯磨は自社ブランド商品「コスミオン(Cosmion)」を発売した。「他社の商品に比べると、決して安くはありませんがそれだけの質を備えたアイテムです」と藤野さんは白い歯を見せる。

高校、大学はラグビー部、現在もラガーマンという藤野社長。1991年に入社し、2008年に父・洋一氏から社長を受け継いだ。

経営が厳しかった時期、コスト削減のために地方への工場移転を考えた。それを思いとどまらせたのは、地元・西淀川のパートの人たちだという。

「歯磨剤づくりって、人手もいりますし、知識や経験も必要です。どこか地方にパッと移って果たしてつくれるのだろうか。考えていくと、やっぱり西淀川の人たちの助けを借りなないとダメなんだなって気づきました。そうして今日のスモカはあります」。

今や、御幣島の風景の一部にもなっているレトロな建物。そこでは最先端の歯磨剤づくりが行われている。

工程ごとに別れた製造工場の一角。従業員の方々に加え、およそ30名のパートの人たちが歯磨剤づくりを行っている。

スモカ歯磨株式会社
住所/西淀川区御幣島1-3-9
電話/06-6471-0151
http://www.smoca.jp/

※この記事はあおぞら財団「りべら」No.142掲載の記事を再編集したものです。