【すげーしゅげーめぐり】おばあちゃんの着物と息抜きの時間
着物リメイク り・くろあ 今村久美子さん
赤い座布団にちょこんと座ったネズミに、澄ました顔で空を見上げるウサギとブタ。色とりどりの花のブローチに梅の花のストラップ、さらにはハスの花托の飾り物。今村久美子さんがちりめん細工を始めたのは、今から5年ほど前のこと。西淀川・淀川健康友の会の世話人をしている縁で、同会の柏花センターで手芸教室ができないかと相談を受けたことがきっかけだ。
「手芸が得意で、大きなぬいぐるみを作ったりしている友達がいるんです。彼女に話をしてみたら、じゃあ手伝ってって言われて。それで私もいろいろ作るようになったんです」
久美子さんの手芸は小物が中心。「小さいのってかわいらしいでしょう。それに大きいのはしんどいから(笑)。私にとっての手芸は息抜きなんですよ」
なんの息抜きかというと着物のリメイク。作品を販売してもらっていたお店がコロナ禍で閉店してからは、娘さんの助けを借りてネット販売を開始。今では「ミンネ」と「クリーマ」のふたつの販売サイトを使い、撮影から商品登録、発送と一人ですべてを行っている。お生まれは1948年。見習いたい。
野里で生まれ育った久美子さん。結婚して生野に移り、ご主人が経営する縫製工場を手伝うようになる。
「婦人服の縫製をしていました。冬場だったらコートやジャケット。上物を作っていたんで縫製だけでなく、生地のこと、デザインのこと、いろんな勉強になりました」
阪神淡路大震災で家が半壊。家族の住まいは、野里の久美子さんの実家になった。
「祖母が持っていた着物がたくさんあるんです。タンスにしまっておくのはもったいないくらいいいものが多いんですよ」
そんなこんなから久美子さんは仕事のかたわら、知人の紹介で着物リメイクの教室に通い始める。それが20年ほど前のこと。
「芦屋でやっていたんですけど、先生が着物の使い方が上手でね。そこで学んだことが今も役立っています」
前述のように今ではネット販売をメインに、多彩なリメイク作品を手がけている久美子さん。そのはぎれが、手芸の材料になる。「だから私の手芸はいい生地つかってるんです(笑)」。
おばあちゃんの着物と、息抜きの心穏やかな時間に包まれた、久美子さんのちりめん細工。ネットショップの購入者に、おまけとして商品ともに送ることもあるそうだ。
久美子さんのリメイク作品は、ミンネやクリーマで「り・くろあ」を探してみてください。