情報発信してます!という人に会いに行く!-その1-
西淀川区子育てまるごと情報[クー]Coo

NPO法人にしよどにこネット 福田留美さん

NPO法人「にしよどにこネット」が発行している『西淀川区子育てまるごと情報Coo[クー]』。西淀川区を地図で見ると、クジラのような形をしているので「クー」。隔月刊で、子育て世帯に向けた特集記事とイベントや施設の情報、コラムやQ&Aで構成されている。

西淀川を知るには、西淀川の情報を発信している人に会うべし。というわけで『Coo[クー]』の発行元「にしよどにこネット」代表の福田留美さんを訪ねた。場所は区役所1階の「に~よんステーション」。子育て親子が自由に交流できるスペースで、さまざまな講座やイベントも行われている。ちなみに開館は月~金曜(祝日は除く)の9時30分~15時30分。ここの運営を行っているのが「にしよどにこネット」というわけ。

じゃあそもそも「にしよどにこネット」って何なのよ。というところから福田さんに話を聞いた。

「にしよどにこネット」の代表を務める福田さん。地域が一体となった子育て環境づくりに尽力している。

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「もともとは姫里で週1回開いていた子育てサークルでした。私も初めは子育てママとして参加していたんです」。

そのサークル「おててつないで」ができたのは1996年。その3年後には5サークルによるネットワーク「心の子育てネットにしよどがわ」に発展する。

「参加者はみんな子育て中のママなんですけど、いろんな技術や経験を持っているんです。それで、こんなことしようあんなことしようって話しているうちどんどん活動が広がっていきました」。

現在も続く「いのちのふれ合い授業」もその一つ。区内の小・中学校、高校で行う交流授業で、妊婦さんや赤ちゃん親子との触れ合いを通して、命や人・家族のつながりの大切さを伝えるというものだ。

ママたちの会話からは、子育て世帯のための地域情報冊子『西淀川子育てすくすくウォーカー』も生まれた。

「子供が遊べる公園はどこにある? 病院は? おむつを替えられるトイレは? 私たち自身が知りたかったことがたくさんありました。それなら調べて冊子にして配ろうと。紙面にデザインしたりイラストが描ける人もいたりして」。

 

『西淀川子育てすくすくウォーカー』は現在も年1回のペースで発行している。

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そうした活動を続けていくうち、より持続可能な組織にしていこうという思いが芽生えていく。2008年、NPO法人「にしよどにこネット」を設立。同年、西淀川区役所委託事業として『Coo[クー]』の発行をスタートした。『西淀川子育てすくすくウォーカー』では網羅できなかった、イベント情報がひと目で分かる情報紙である。

さらに、翌年には念願だった常設の子育て広場「にっこりRoomおおわだ」「にっこりRoomふくまち」を開設。2011年には「に~よんステーション」が誕生。子育てをしている人たちがふと立ち寄れる、交流スペースが区内に3カ所できた。すでに二人の子供を育て、ママとして一段落の福田さん。今度は西淀川のママとして奔走していた。

『Coo[クー]』は役所の子育て支援室との共同制作。例年3・4月号はフルカラー。

カレンダー形式でイベント情報を掲載。区役所や西淀川区子育て支援センター、子ども・子育てプラザ、つどいの広場柏里、各地域の子育てサロンなどで無料配布。

こちらは『Coo[クー]』の別冊として発行した離乳食のレシピ集。

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「子供は一人で育てるもんじゃない、夫婦二人でもない。地域で一緒に育てるものなんです」と福田さんは言う。核家族の時代。女性が働くことも普通のことになった。だからこそ、みんなで子供を育てる環境をつくることが大事になってくる。

「自分で育てなきゃって思ってしまうと、どんどん閉じこもっていってしまう。子供が泣いたら近所の目を気にして、部屋を締め切ってしまう。私もかつてそういう時期があって、たまたま出合った子育てサークルに助けられました。同じように子育てをしている人、先輩ママ、いろんな人に話をして、聞いて、子供を育てることができた。その経験を生かしたいんです」。

外国人の利用も多い「に~よんステーション」。韓国語や中国語の絵本もあったりする。

「に~よんステーション」をはじめとする子育て広場には、さまざまな情報が集まる。

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そこで大切なのは、いつでも悩みを相談できるように多くの人と出会っておくこと。「できるだけ早い時期に、『に~よんステーション』や『にっこりRoom』のような交流の場に訪れてほしいんです。そうしておけば、いざという時に気軽に話ができるようになる。子供が1歳、2歳と成長していくと、どんどん人に相談しづらくなってしまいますから」。

福田さんが願うのは、西淀川がもっともっと子育てのしやすい町になること。『Coo[クー]』も「に~よんステーション」もすべて、そのためなのだ。

子育て支援施設へのアクセス方法が記されたステッカーを区内のさまざまな場所に貼ったり、しつけの講演を行ったり、子供たちに自由に遊ぶ場を提供するイベント「冒険あそび場」を開催したりと、「にしよどにこネット」の活動は多岐にわたる。

NPO法人にしよどにこネット
http://niko-net.sakura.ne.jp


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